研修費や、そのための旅費、団体活動で使うお金。最近、こうした支出を振り返りながら、学びの価値と税務上の扱いについて、改めて考えました。
僕自身、仕事を離れて学ぶ時間や、いろいろな人と関わる時間を大切にしたいと思っています。そこで得た気づきが、後から仕事に生きることもあるはずです。
ただ、「自分には役に立った」という実感だけで、すべて経費になるわけではありません。ここは、丁寧に分けて考えたいところです。
業務とのつながりを、具体的に見る
個人事業の必要経費には、売上に直接対応する費用だけでなく、業務上の販売費や一般管理費なども含まれます。すぐに売上が増えたかどうかだけで、結論を出すものではありません。
一方、私生活のための支出は必要経費になりません。仕事と私用の両方に関係する支出は、記録などに基づき、業務のために直接必要だった部分を明らかに区分できることが求められます。
研修なら、どのような内容を、何の業務のために学ぶのか。旅費なら、どの用務のための移動なのか。団体活動に関する支出も、団体名や「会費」「研修費」という科目名だけで決めず、具体的な目的と内容を確かめる必要があります。
「勉強になった」という感想に加えて、仕事とのつながりを第三者にも説明できるか。僕は、そこを一緒に整理することが大切だと思っています。
会社が負担する場合は、給与の確認も
会社が役員や従業員の研修費を負担する場合には、参加した人への給与として課税されるかという確認も必要です。個人事業主本人の必要経費とは、論点を分けて考えます。
国税庁は、職務に直接必要な知識や技術などを身につける研修について、そのための適正な費用であれば、給与として課税しなくてよいとしています。
研修旅行でも、会社の業務に直接必要でない部分の費用は、参加者の給与として扱われます。役員への給与に当たる場合には、法人税上の損金に算入できるかについても、役員給与のルールの確認が必要です。
会社がお金を出した、という事実だけでは扱いは決まりません。誰の、どの仕事のための支出なのかを確認することになります。
領収書に、目的が分かる記録を添える
領収書は大切ですが、それだけで研修内容や業務との関係まで伝わるとは限りません。
例えば、講座の案内、当日の資料、日程表を一緒に残す。そこに、参加した目的や業務との関係を短く書いておく。私用を含む行程なら、その区分も分かるようにする。そんな準備が、後から内容を確かめる助けになります。
もちろん、メモがあれば必ず経費になるということではありません。実際の目的や行動と、資料や記録が合っていることが大切です。
僕も、次に支出を整理するときは、「何のためのお金だったか」を一言残すところから始めたいと思います。
学びに価値があったことと、税務上どう扱うか。その両方を大切にしながら、一つずつ確認できる税理士でありたいです。
参考資料(2026年10月22日確認)
国税庁 No.2601「職務に必要な技術などを習得する費用を支出したとき」

コメントをどうぞ