10月10日、福井県国際交流会館で開かれた相続無料相談会に、相談員として参加しました。
相続の相談を受けるたびに、「相続税は、やっぱり奥が深いな」と感じます。
ご相談にお答えする立場ではありますが、僕にとっても、自分の知識を確かめ、学び直す大切な時間になりました。
相談を受けることは、僕自身の学びになる
同じ「相続」の相談でも、家族構成や財産の内容、これまでの経緯、ご本人の思いは、それぞれ違います。
制度を知っていることと、その方の状況に合う形で分かりやすく伝えられることは、また少し違います。
お話を伺いながら、知識を頭の中で整理し、「この場合はどう考えるか」「何を先に確認するか」を、一つずつ確かめていく。
そうしてご相談にお答えすることが、僕自身の理解を深めることにもつながっています。相続税は奥が深いからこそ、学び続けることが大切だと改めて感じました。
生前贈与も、今の制度に合わせて考える
今回、特にお伝えすることが多かったのが、「相続時精算課税制度」の活用についてでした。
相続時精算課税は、贈与と将来の相続を通して税金を計算する仕組みです。2024年以降の贈与には、贈与を受ける人1人につき年間110万円の基礎控除が設けられました。この基礎控除に相当する部分は、将来の相続税の計算にも加算されません。
生前贈与を考えるときには、この制度も含めて、自分たちに合う方法を検討することが大切だと思っています。
ただし、一度選択すると、同じ贈与者からの贈与について暦年課税に戻すことはできません。対象者の要件や選択の届出もあるため、家族や財産の状況を踏まえて判断する必要があります。
制度の参考:国税庁「相続時精算課税の選択」
家族のために。そして、ご自身のために。
制度のお話とあわせて、僕がもう一つお伝えしたのは、ご自身のためにも、お金を使ってほしいということです。
子どもや孫に、少しでも多く残してあげたい。その気持ちは、とても素敵だと思います。
でも、そのために、自分の楽しみや、やってみたいことを後回しにしすぎてほしくはありません。
行ってみたかった場所に出かける。
好きなものを食べる。
趣味を楽しむ。
家族と一緒に、思い出に残る時間を過ごす。
これからの生活や医療・介護に備えたうえで、今の自分が元気に楽しめることにも、お金を使ってほしいと思います。
大切にしてきたお金だからこそ、ご家族への贈り物と同じように、ご自身へのご褒美があってもいいはずです。
元気なうちに楽しんだ時間や、家族と一緒に笑った思い出も、大切な財産になる。僕は、そう思っています。
お金の先にある暮らしまで、一緒に考えたい
相続対策を考えるとき、税金がいくらになるのかは、もちろん大切です。
そのうえで、僕は「これから、どんなふうに暮らしたいか」という気持ちも大事にしたいと思っています。
家族に残す安心と、ご自身が今を楽しむ時間。その両方を大切にできるように、一緒に考えていきたい。
今回の相談会は、知識を再確認するとともに、自分が相談の場で何を伝えたいのかを見つめ直す機会にもなりました。
ご相談くださった皆さま、ありがとうございました。
僕自身も学び続けながら、これからも一つひとつの相談に向き合っていきます。

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